No.7 みかんの産地「鹿島市」
身近な果物の一つ”みかん”
みかんの品種は世界では900種類以上あると言われています。
柑橘の原種は3000万年前のインド島北部が発祥で、その後さまざまな種に分化しながらアジア、中国、そして日本へと伝わったと言われています。
想像が出来ないほどの歴史深い果物ですね。
鹿島市は、有明海を見下ろす多良岳一帯に海風が当たることから美味しいみかんが収穫できる条件が揃っており、みかんの栽培が盛んに行われています。
みかんにはビタミンCが豊富に含まれており、みかん2個で大人の1日に必要とされているビタミンCが摂取できると言われています。
美味しいだけでなく、食べたら風邪予防になり、私たちの健康維持にも一役買ってくれる果物です。
今回は、鹿島市のみかんについて皆さまへご紹介させて頂きます。
みかんが好きな皆さまに読んで頂きたいと思っております。
ぜひ最後までお付き合い頂ければ嬉しいです。
・ 温州みかん
温州みかんは日本で収穫される品種の7割を占める最重要品種です。温州みかんと一括りで言いますが、なんと100種類以上もの品種があります。
温州みかんは9月末頃から収穫がはじまり、1月頃までが最盛期です。
収穫時期によって呼び方が変わり、糖度、酸味、ふくろの厚さも変化していきます。
特徴を紹介いたします。
【極早生みかん】
旬の時期:9月~10月 果皮が青く、甘酸っぱい。ふくろはやや薄め。
【早生みかん】
旬の時期:11月上旬~12月 糖度が高く、ふくろは薄いため、一番食味がよい。
【中生みかん】
旬の時期:11月下旬~12月 糖度が高く、ふくろはやや厚め。
【晩生みかん】
旬の時期:12月~2月 貯蔵して出荷するものもあるため、濃厚な甘みがある。ふくろは厚め。
時期によって温州みかんにも様々な特徴があるのがお分かり頂けたかと思います。自分好みの温州みかんを食べ比べて探すのも楽しそうですね。
ここ鹿島市には、3つの温州みかんブランドが存在しています。特徴をご紹介します。
【祐徳みかん】
佐賀県が誇るブランド「さが美人」の最上級品で、品種・栽培方法・選果基準を更に厳しい選別基準で厳選したものだけが「祐徳みかん」として出荷されます。
それだけに数が少なく希少なみかんです。
「祐徳」とは、鹿島市の日本三大稲荷を称される「祐徳稲荷神社」にあやかり命名されました。
【さが美人】
「さが美人」は、佐賀県が誇る温州みかんのブランドです。
おいしい温州みかんの中でも、糖度の高さ、酸味に程良さ、そして見た目の良さなど県統一の基準を満たしたみかんです。
保存性や味に優れていることから、国際ステーションに届けられた「宇宙みかん」としても脚光を浴びました。
【陽(ひ)の輝き】
「さが美人」の弟分としてデビューしたみかんで、みずみずしい果汁と濃厚な甘さと程よい酸味が特徴です。深いコクが口いっぱいに広がります。
極早生みかんは、外見が青いのが特徴ですが、中身はしっかりとオレンジ色の果肉でみずみずしく甘酸っぱいフレッシュさが特徴です。
鹿島市のブランドみかん、是非一度はご賞味頂ければと思います。
・ 鹿島みかん村 佐藤農場
鹿島市には、有機柑橘栽培出荷量全国日本一を誇る、素晴らしい農場があります。
「鹿島みかん村 佐藤農場」さん。佐藤さんの農場は有機JAS認証農園としてみかんを生産されています。
自然に戻り、自然に学び、自然にやさしい有機農法。
誰もが安心して食べられる健康なみかんを作りたいとの想いで体に優しい果実だけを栽培されています。
”有機栽培”とは、自然界にあるものだけで栽培する方法です。
肥料には発酵させたみかんの搾りかすや枯れ草のほか、石灰・硫黄・海水を散布するなど自然の力を利用してみかん作りが行われています。
農薬や化学肥料、除草剤を使わないため、草刈りや害虫駆除に手間がかかります。
栽培方法が大変なこともあり、全国で有機みかんに取り組むのはみかん農家6万人の中でわずか100人ほど。
佐藤農場さんでは、東京ドーム7個分、すべての敷地が有機農産物に適合した生産が行われることを証明する「有機JAS認証」を受けられています。
オーガニックゆえ、形がデコボコだったり、黒い点があったりしますが、これが有機栽培の証。見た目は少し不格好でも、自然の恵がギュッと詰まった本当に美味しいみかんです。
防腐剤やワックスは一切使われていないので、皮まで安心して食べる事ができます。
自然の力と人の力を合わせたら、自然と人に優しいみかんが出来る。
とても素敵ですね。これこそ本来の自然と人との共栄共存の形の様な気がします。自然と人に優しく、生産者の佐藤さんの優しいお人柄が伝わってきます。
佐藤農場さんのECサイトにて購入できます。ぜひ一度ご賞味下さい。
みかんだけではなく、ジュースやドライフルーツなどの加工品も生産されていますよ。
鹿島市のふるさと納税でも佐藤農場さんの製品を取り扱っております。併せてご覧頂ければと思います。
・ ハウスみかん
5月頃から9月頃までに出荷されるハウスみかん。
今鹿島市では収穫の最盛期です。
ハウスみかんは温州みかんの一種ですが、水や気温管理、摘果に色付けと露地栽培よりもずっと難しく手間ひまがかかっています。果肉が柔らかく甘みの濃い味のハウスみかんには、生産者の方々の知恵と技術、労力が詰まっています。
佐賀県農業協同組合の園芸販売課の皆さまにご協力頂き、鹿島市でハウスみかんを生産されている、小栁善彦さんのハウスを取材させて頂きました。
ハウスに入ると収穫を目前に迎えてたみかんが鈴生りのように実っていました。木を観察すると、枝や幹が紐やロープで吊られていました。
小栁さんへお話を伺うと、みかんの重みで枝や幹が折れてしまうのを防ぐ為に吊るしていると教えて頂きました。先が見えない程のハウスの木の一本一本に手を掛けられている事が感じ取れました。
冬場にはハウス内を暖かくする為に重油ストーブを使用するそうです。
近年の燃料高騰により、生産コストを落とすために新たにハウス用の空調設備を導入したりと、その時々に応じた判断をしながら生産を続けているとのことでした。また、燃料高騰は肥料や資材にも影響しているそうです。
生産に人の手やコストがかかり、一年一年、木の状態やみかんが安定して実るという保証が無い為に、ハウスみかんの生産を辞める農家さんもいらっしゃるそうで、日頃私たちが口にしているハウスみかんが、いかに有難い事なのかを痛感しました。
取材しながら、たくさんのご苦労があってみかんを生産されている事を知りました。と話すと、食べてくれる人が「美味しい!」と言ってくれるだけで良い!と笑顔でお話された小栁さん。
様々な困難があっても喜んでくれる人がいるという事が何よりもの活力になっているのだなと感じました。
素晴らしい生産者様のお話が聞けて良かったです。
小栁さんのハウスで収穫されたハウスみかんは、佐賀県農業協同組合に集められ検品や梱包をされた後に、事業者や消費者の元へ届けられています。
パッキング作業を行っている様子を実際に見ましたが、作業をされている方々の目利き力に驚きました。サイズ感や色形などを目で見て箱にきちんと入る品質の良いみかんを選び詰められていました。
最後に人の目を通し、品質を確認をした後に手詰めされ製品となっていく過程を拝見させて頂き、皆さまに安心して食べて頂けるみかんだと感じました。
鹿島市のふるさと納税でもこのハウスみかんを取り扱っており、皆さまに食べて頂けます。ぜひ真心の込もったハウスみかんをご賞味下さい。
・ 不知火(しらぬい)
不知火は、清美とポンカンを組み合わせて作られた、みかん類とオレンジの交雑種です。ヘタがぷっくりとふくれたフォルムが特徴で、大変人気のあるみかんの品種の一つです。
収穫後、1~3週間ほど貯蔵して酸を抜く期間を設けた後、3月下旬~5月下旬頃に出荷されています。
見た目は温州みかんに比べると粗く固そうに見えますが、手で皮を剥く事ができ、果実のふくろは薄皮でとても柔らかくそのまま食べる事ができます。不知火の特徴は、何と言っても甘みが強く、甘みと酸味のバランスが絶妙なところです。
その特徴から、地元のケーキ屋さんには不知火を使用したケーキも季節限定で販売されています。
温州みかんよりも二まわりくらい大きく、食べ応えも抜群です。
日本生まれの品種ですが、近年アメリカでも生産されているそうで、
ヘタの出っ張りが力士の髷に似ていることから、「SUMOスモー」と名付けられているそうです。面白いネーミングですよね。
海を渡った不知火。日本人として誇らしくなりますね。
・ にじゅうまる
「にじゅうまる」は、令和3年2月10日にデビューした、新しい佐賀県生まれの新ブランドのかんきつです。
食べごたえのある大きさと、爽快な香り。プチっとした食感と、一気にあふれるジューシーな果汁。豊かな甘みと、ほどよい酸味。
絶妙なバランスで美味しさをぎゅっと閉じ込めた「中晩柑のフルコース」です。
品名の由来は、見た目、香り、甘さ、果汁、食感。そのすべてが「二重丸」。佐賀の期待を背負って生まれた上出来なみかんで、その自信を力強く、まっすぐに表現したことから「にじゅうまる」と名付けられました。
にじゅうまるは、12月下旬~1月に収穫され、そこから1~2ヵ月程貯蔵施設にて保管されます。この貯蔵期間中に「甘さを濃縮」させ、「酸味を低くする」ことで「まろやかな味」になります。
品種開発から栽培、収穫、販売までに沢山の関係者の皆様の期待が込められている、話題のみかんです。ぜひ一度はご賞味頂きたいです。
以上、みかんの産地「鹿島市」についてご紹介しました。
果物の中でも特に人気のあるみかんですが、鹿島市で生産されるみかんはその甘みと酸味のバランスが絶妙で、とてもおいしいと評判です。
年間を通して様々な品種のおいしいみかんが収穫されています。
生産者様やみかんの出荷に関わる方々の想いも感じながら、
ぜひ一度、鹿島市で収穫されるみかんを味わってみてください。
では、次回のnote更新も楽しみにしていて下さいね。そいぎ~(またね~)
ーあとがきー
私の祖父母はみかん農家でした。それもあり、私にとってみかんは無くてはならない果物です。
小中学生の頃、学校が休みの日は家族揃ってみかんの収穫の手伝いへ行っていました。
みかんが好きな私にとって一番の楽しみは、もぎたてのみかんを食べる事でした。今でもその味が忘れられません。
お昼になると祖母が昼食を作ってくれて、皆で食卓を囲んでご飯を食べた事も良い思い出です。
11月頃になるとふとその時の思い出が脳裏に浮かんできます。
祖父母は他界し、今ではみかんの収穫をする事もなくなりましたが、
今は仕事を通してまた違う角度でみかんに関わる事ができとても嬉しく思っています。
今回取材をさせて頂き、みかんが私達の手元にくるまでのドラマを見せて頂きました。まだまだ見えていない所もあるかとは思いますが、みかんの生産に関わる皆さまの胸には「美味しい!」と喜ぶ人達の為に…という想いが溢れていました。
その気持ちが少しでも今回のnoteで伝わっていれば嬉しいです。
今年はみかんの食べ比べをしよう!と今から楽しみです。